郷土人形ずかん

東北・北陸・関東 山形県 相良土人形 犬乗り童子

画像

 豪雪地帯のこの地域では、古くから農閑期にわら細工や木工製品と共に、子どもたちの愛玩用として人形や玩具が作られていたが、その中には特産品として評判をよぶようになるものも出てきた。庶民の暮らしから生まれた素朴な郷土人形が、江戸時代には農家や下級武士の副業として盛んに制作された。

写真:山形県 相良土人形 昭和40年代

中部・近畿 京都府 伏見土人形 牛乗り天神

画像

 京都伏見の制作技法が近隣諸国に広がり、多種多様な人形が作られた。多くはその地の風俗や動物などをあらわしたものが多いが、世相を反映したものや歌舞伎や武者ものなど、庶民の娯楽に題材をとった豪華なものも多く作られた。なかでも伏見人形は土人形というより、美術品としての評価も高く、その技法は全国の人形職人の模範となった。

写真:京都府 伏見土人形 明治末期

中国・四国 島根県 三原土人形 花笠踊り 昭和初期

画像

 良質の土に恵まれ、古くから陶器や瓦が生産されていたが、時代が下るにつれて土人形も作られるようになった。また、習俗や子ども用玩具として張子人形が多く作られた。四国徳島県では人形浄瑠璃が盛んとなるにつれ、芝居に使用する首人形が多く作られた。

写真:広島県 三原土人形 花笠踊り 昭和初期

九州 福岡県 博多土人形 鯛乗り童子

画像

 江戸時代、伏見の技法が伝わり、博多人形として流通した。また、鎖国時代唯一海外に開かれた長崎では、異国情緒豊かな人形が作られ、薩摩周辺では朝鮮陶工技法の流れをくんだ土人形が作られた。歴史的、地域的にみて海外の影響や世相を反映したものが多い。

写真:福岡県 博多土人形 鯛乗り童子